三省堂大辞林 by Weblioから引用しています。
観点 | 説明 |
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責任 | 自身が引き受けて行わなければいけない任務 |
権限 | 定められた範囲のことを正当に行うことができる能力、その能力が及ぶ範囲 |
責務 | 自分の責任として果たさなければならない事柄 |
以上のように定義した上で、3つの事項に対する自分なりの解釈を入社前後と入社後7ヶ月目からとの2軸で振り返ってみました。
3つの事項に対する解釈が異なっていることがわかります。入社前後と入社後7ヶ月目からとの解釈の差分は、前節で述べた主従関係の勘違いから発生していたものだと認識しています。発生させてしまっていた具体例としては、本来やるべき業務の範囲を超えて、別部署の人と何かを始めようとしていたりということが挙げられます。自身が所属する部署の監督責任を無視している上に、巻き込んでしまった人が所属する部署の監督責任者にも迷惑をかけてしまったアンチパターンでした。
このnoteを書くにあたって初めて3つの観点で自分の振る舞いを分解してみたのですが、切り口としてはとても良かったという印象でした。書籍「Simple Rules」で述べられている4箇条や構築までのステップに当てはまる部分も多いので、これからも活用していければと考えています。
生意気ながら学生時代から「人に期待しない」という意識づけを徹底していました。人に対する期待を持たないようにした出来事については都合よく思い出すことができませんが、人に対する期待をなるべく持たないようにすることで、実現力を高めるためのスキルアップに目を向けられた部分はあったと思います。
一方で、入社前から働くことに対して前向きな感情を持っていました。フルタイムでの労働経験がないにも関わらず前向きな感情を抱いていたのは、今思えば働くことや組織に対して過剰に期待していたのだと思います。ここで抱いていた期待は、個人に対してというよりも、組織や概念など、実在してはいるが抽象的であるものに対してでした。
実在しているが抽象的であるものの例を挙げると、会社で言えば、上司であるAさんではなく「上司」、同僚のBさんではなく「同僚」などです。暮らしで言えば、隣に住むCさんではなく「近所の人」、安倍晋三さんではなく「内閣総理大臣」や「政府」などが挙げられます。
抽象的な実態に対する期待を捨てきれていなかったため、入社してしばらくたつと、想像していた未来と目の前で起きている現実との差分を強く感じるようになりました。結果として働く意欲が低下し、無気力な日が増加するなど、ネガティブな傾向が強くなっていきました。
幸いなことに「人に期待しない」と意識づけした過去があったので(繰り返しますが出来事は覚えていません)、意欲が低下した原因を考えることはできました。そのときたどり着いたのが、上述した「実在する抽象的な対象に対しての期待」が存在したのではないか、ということでした。
そんな中、時をほぼ同じくして、さくらインターネットのCEOである田中邦裕さんが「同意のない期待」を題材としたnoteを公開されました。
田中さんのnoteを拝見して、自分なりにたどり着いた答えが確信に変わった気がしました。合意のない期待は「一方的な期待」と言い換えられるかと思いますが、この「一方的な期待」を意識なく持ってしまっていたことにより、身勝手な気分の高揚と意欲の低下を、自分だけの世界で発生させていました。
上の図は「期待」を個人や集団などの外面的な実態に分解し、各実態に対して内面的な分類を紐づけたものを視覚化したものです。対個人や上司、近所の人や政府などに対する失望などというのは、すべて同意のない一方的な期待と言えると思います。コミュニケーションがとれていれば、期待の範囲やレベル感がお互いに共有されているはずです。必須で求めることと、希望的に求めることの区別が明確になっていれば、結果が出たときの対応もはっきりします。すべての事象や設定についてコミュニケーションをとることは難しいかもしれませんが、少しずつクリアしていくことで、起こりうる不幸をマネジメントすることは可能なのではないかと考えています。
ちなみに、期待すること自体は悪いことではないと思います。意味のある期待はむしろ重要であると考えていますので、今後は期待を双方認識の上で設定できるようにしたいと思っていますし、そのためのコミュニケーション能力向上も図っていきたいです。
ちなみに、肩書きや瞬間に対しても期待が存在すると考えています。例えば瞬間であれば、ギャンブルが良い例かと思います。3万円の所持金を目の前で展開されているルーレットに全額ベットして負けたとしましょう。期待が一方的なケースであれば、掛け金を根こそぎもっていかれて、悲しみ、怒りなどの感情で満たされると思います。一方、ルーレットの性質や、事象の発生確率を把握した上で所持金を全額ベットして負けたときの感情は、一方的に期待して負けたケースに比べて比較的穏やかかと思います。ルーレットとコミュニケーションをとる、つまりルーレットの性質をあらかじめ把握し、双方の期待を理解することで、思い通りにいかなかった場合の感情をマネジメントすることができます。ルーレット自身は人間のように話せませんが、ルーレットが発する情報を獲得することはできるはずです。
入社してから公開日までの約1年を振り返り、根本的に誤っていたことを出して、書き上げてみました。これまでアルバイトやインターンに加え、オンライン、オフラインともにイベントのホストをしてきたりしていました。それなりのスキルを持ち、それなりの経験を積んできたという自負がありましたが、それでも本記事で書いた基本的なことで躓いてしまいました。
人はそれぞれ様々なバックグラウンドを持っています。自分の行動範囲の中で失敗の「なぜ」を考えることは可能なのかもしれませんが、普遍的に適応できるいろはのようなものを見つけるというのは至難の技です。だからこそ、常に考え、そして考え続けるということが大切なのだと、特にこの2ヶ月くらいは改めて、強く感じる次第です。
公開時点では、2020年4月1日があと1週間ほどに迫っています。COVID-19の世界的感染拡大により難しいことは多々ある中、全国で4月入社の新卒社員が出現することになるわけですが、彼らには、ネット上に転がっている様々な失敗談を材料に、考え、自身を改善して、1日でも早く自分の責任を全うできる人になってほしいです。気付くまでに時間がかかったおじさんからの偉そうなアドバイスでした。
タグ | ビジネス |
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最終更新日 | 2020年03月25日 12:00 |
作成日 | 2020年03月25日 12:00 |